アメリカ経済史学会 第67回全国大会(2024年)


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開催概要
  • 開催日:2024年10月5日(土)、6日(日)
  • 会場:立命館大学びわこ・くさつキャンパス プリズムハウスP201教室



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シンポジウム趣旨

アメリカ経済史学会では、第67回全国大会の大会企画として、シンポジウム「2024年アメリカ大統領選」を立命館大学びわこ・くさつキャンパスにて開催する。第1部では政治学者の前嶋和弘氏(上智大学)による特別講演会「アメリカ大統領選をめぐる政治、経済、歴史」を、第2部では前嶋氏とアメリカ経済史学会会員とのパネル・ディスカッション「2024年アメリカ大統領選と分断されたアメリカの行方」を実施する。


来たる11月のアメリカ大統領選は、国際政治経済の行方を占う最大のイベントとなる。だが、現大統領と前大統領の対決は1882年以来とはいえ、バイデン対トランプは2020年の「リマッチ」で新鮮味が欠けたことは否めなかった。

ところが、6月28日にジョージア州アトランタで異例の早期に行われたテレビ討論会以降、事態は急変し、歴史を振り返っても稀有なことが起こりつつある。民主党では、討論会で精彩を欠いたバイデン大統領に対し圧力が強まり、大統領選から撤退することを余儀なくされた。現副大統領のカマラ・ハリスが女性初の大統領を目指し、ミネソタ州知事のティム・ウォルツを副大統領候補に指名した。他方、共和党では、世界を震撼させた暗殺未遂に遭いながらも右拳を高く突き上げたことによって、「もしトラ」はかなり現実味を帯びてきた。7月15日から18日にウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党大会では、J・D・ヴァンスがランニング・メイトに選ばれた。彼は、2016年大統領選でのトランプ現象の一端を示した『ヒルビリー・エレジー-アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を著し、その後上院議員に転じたが、かつては「ネバー・トランプ」の立場だった。

このような流動的な状況を背景に、第1部特別講演会「アメリカ大統領選をめぐる政治、経済、歴史」では、前嶋氏に、11月5日の投票日まで1カ月となった時点で、アメリカ政治の専門家としての学識にもとづき、2024年アメリカ大統領選の何を、どのように見たらよいのかを縦横無尽に説いていただく。

さて、ユーラシア・グループが2024 年の「世界の 10 大リスク」のトップに「アメリカの敵はアメリカ」を選んだことが示すように、アメリカの政治的分断に世界が注目している。アメリカは分極化と政党間対立、政治システムの機能不全を克服することができるのか。

とはいえ、この分断は二大政党の衝突という単純な構図ではない。政治学者マイケル・リンドはこれを国内の上級階級と労働者階級のあいだの「新しい階級闘争」だと指摘する。トランプ支持者たちのポピュリズムはエリート支配に対する当然の反動であった。ポピュリストたちは、エリートを批判して、不法移民(非正規移民)の流入や広がる所得格差など、現状に不満をもつ人々の受け皿となっている。このように2024年大統領選を理解するキーワードはポピュリズムである。言ってみれば、左右のイデオロギーの違いに、上下の対立が加わり、錯綜しているのである。

ポピュリズムは、たんなる流行語ではない。アメリカ政治、アメリカ経済、そしてアメリカ史における重要な概念であり、一般的に持つネガティブなイメージに限定されない。それは、19世紀末に結成された人民党(Populist Party)と、その支援を受けて1898年大統領選で善戦したウィリアム・ジェニングス・ブライアンが果たした大きな役割のためである。つまり、アメリカ北東部の資本家と、労働者、そして中西部や南部の農民の「階級闘争」とも言え、急進的な社会改革が訴えられたからである。

そこで第2部パネル・ディスカッション「2024年アメリカ大統領選と分断されたアメリカの行方」では、前嶋氏にくわえ、河音琢郎会員(立命館大学)、中島醸会員(拓殖大学)、大橋陽会員(立命館大学)に登壇いただく。下斗米秀之会員(明治大学)がモデレーターを務め、河音会員には税や財政面からイデオロギー的分極化やポピュリズムの台頭について、中島会員には民主党も共和党も注目する労働組合や移民の動向について、大橋会員には、エリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースら民主党左派からみたアメリカの分断について、問題提起をしていただき、フロアも含めたディスカッションを展開したい。

言うまでもなくアメリカ大統領選の結果は、通商政策や環境政策、経済安全保障政策など、日本経済にも多方面で大きな影響を及ぼす。世界が注目するアメリカの大統領選の行方について、日本を代表するアメリカ政治、アメリカ経済史研究者の議論を立命館大学の学生や教職員はもちろん、一般の方にもひろく届けることとしたい。


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大会プログラム
第1日:10月5日(土)
【アメリカ経済史学会 × BKC30周年記念企画】

シンポジウム「2024年アメリカ大統領選」 13:30~16:40
第1部 特別講演「アメリカ大統領選をめぐる政治、経済、歴史」 13:30~15:00
講演者:前嶋和弘(上智大学)
司会者:下斗米秀之(明治大学)

(休憩) 15:00~15:20

第2部 パネル・ディスカッション「2024年アメリカ大統領選と分断されたアメリカの行方」 15:20~16:40
パネリスト:前嶋和弘(上智大学)、河音琢郎(立命館大学)、中島醸(拓殖大学)、大橋陽(立命館大学)
モデレーター:下斗米秀之(明治大学)

【懇親会】 18:00~20:00

第2日:10月6日(日)
【研究報告1】 9:30~10:30
「1960年代から1980年代における自社株買い規制の展開」
報告者:近藤大紀(関西大学大学院)
司会者:松本朗(立命館大学)

【研究報告2】 10:30~11:30
「アメリカの対ユーラトム原子炉輸出-米独原子力産業の関係を中心に、1958~1963」
報告者:谷口創一(京都大学大学院)
司会者:河﨑信樹(関西大学)

【研究報告3】 11:30~12:30
「政治経済史における「国境」の解体と再生-英米関係論という視座を活用して」
報告者:土橋康人(北海学園大学)
司会者:坂出健(京都大学)

(休憩) 12:30~13:30

【研究報告4】 13:30~14:30
「米国戦時経済体制が戦略立案・遂行に与えた影響に関する検討-対日戦略爆撃作戦を例として」
報告者:藤田怜史(岐阜市立女子短期大学)
司会者:下斗米秀之(明治大学)

【研究報告5】 14:30~15:30
「1960年代アメリカの対外援助政策-ニクソン政権移行期のプランに注目して」
報告者:須藤功(明治大学)
司会者:大橋陽(立命館大学)

【会員総会】 15:30~16:00

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大会参加登録
下記から参加登録を必ずお願いいたします。懇親会、お弁当の有無などの質問もありますので、報告者、司会者等も必ずご回答ください。

https://forms.gle/vjs7DjWeeyU7ZU7A7

  • 10月5日(土)につきましては、学内のユニオンショップ(生協購買、下図①の建物)が10:00−15:00の間営業しておりますが、食堂等は5日(土)、6日(日)ともに閉店です。
  • 10月6日(日)につきましては、ご希望の方にお弁当を用意します。予定価格は1,000円です。参加登録の際にお申し込みいただき、料金は当日お支払いください。数によっては用意がかなわない場合がありますが、ご容赦ください。個別に連絡いたします。
  • 南草津駅東口のセブンイレブン、西友等で飲食物はお求めの上、来学ください。



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会場案内
立命館大学びわこ・くさつキャンパス
(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1丁目1-1)

  • 南草津駅から立命館大学へは近江鉄道バスを利用します。土日は直通シャトルバスの運行がないので、通常の路線バスをご利用下さい。運賃は230円。交通系ICカードが使えます。下の図の③か④からご乗車ください。
  • <東口>③番乗り場:南草津立命線(かがやき通り経由)、④番乗り場:南草津立命線(パナ東・パナ西口経由)
  • 南草津駅の隣の草津駅に宿泊をお考えの場合には、土日は立命館大学方面のバスが運休なのでご注意ください。草津駅に宿泊の場合には、南草津駅までJRで移動し、バスをご利用ください。瀬田駅もバスの本数が少ないので、ご注意ください。
  • バスの時刻表などは、下記の近江鉄道グループHPをご覧下さい。
    https://www.ohmitetudo.co.jp/bus/guide/minakusa-ritumei/





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